読解力

「◯◯力」なる言葉は確かに多い。

変化が激しい時代を生き抜く上では、さまざまな力が必要になっているのだろう。


「読解力」といえば、どのようなイメージを抱くだろうか。

硬質な文章から主題を読み取る力、主人公の言動から心の機微を読み取る力、複数のデータから共通項を読み取る力...


読解力について考えるとき、誰しも疑問に思うことがある。

「正しい答えは複数あるのでは?」

なるほど、読み手が十人いれば、十通りの読み解き方、解釈がある。

読み手が持つ知識や情報の量や質によって、読み解き方は変わってくる。

「文学作品の読解」となると、もうお手上げだ。


安部公房の「赤い繭」という作品をご存知だろうか。

自分の家を探し求める「おれ」が、最終的には「繭」になるという話だ。

彼の作品には非現実的な要素が多く、「理解」しようとすると、余計に理解が妨げられる。

高校の現代文の教科書に採録されていることが多く、寓意小説という括りで登場する。


受験に縛られない授業をするには今しかないと思い、高3の授業で今回取り上げた。


文学作品の「鑑賞」と「読解」は何が違うのか。

入試における読解は、多くの前提があってこそ成り立っている。


言い換えれば、主題者(大学)の意図を読み取ることで、読解がうまくいく。


文章(作者)→出題者→受験生


作者の考えなんて、作者しか知り得ない。


入試というカテゴリーで求められる「読解力」


高校生のうちに身に付けておきたい「読解力」とは?